ふるさと旅行

引越しからもうすぐ2週間。ダンボールの数は減った。このまま減るか、次の引越しまで放置され家具の一部と化すか。前回の引越しの経験からも、今月が勝負といえる。現時点では一応9ヶ月後に予定されている次回の引越しは、これまでとは少々意味が違う。はじめての、しかも新築の持ち家だから、スマートに住みたい。

広島の実家から都内の大学に進学して以降、感動した、熟読していまも手にする、いつかは読むかも知れないと、本はおびただしく増え、それでも計12回の引越しの間に、たくさんの本を誰かにもらってもらった。昨夏購入したキンドルは確かに便利だ。今回は断捨離の気合のヴォルテージが上がる。

とはいえ、心に響いた、しょっちゅう手にした、著者から直接頂いた、友人から頂いた本はやはり捨てられない。だっていろんな思い出につながっているから。帰省のたびにブックオフに通って探したいくつかの小説は。もういろんな人にもらってもらって、手元にあるのは好きな作家のものだけ。とりあえずダンボール箱の彼らの記念写真をとる。

小学生から高校生まで好きな本は外国の作家のものが大半だった。読書はある種「兼高かおる世界の旅」のような、旅の道具だったのだ。大学以降、アラブ社会を専攻してからは、本棚の大半がアラブ関連になった。いろんな年代を超えた日本の作家ものを読むようになったのは、ここ数年のことかもしれない。

小説は小説だが、戦後の大阪、新宿の2丁目に、金融エリート等々、これまで自分が知らなかった、年に2週間の帰国休暇じゃ日本社会の情景、情感。

次のダンボールはさらにかさ張る。反対を押し切って結婚したときに、母から渡された分厚いく重たい写真アルバムの数冊だ。捨てるなといわれたので、律儀にレバノンまで持ってきた。デジカメにおさめようと思ったが、11ヶ月で歩き始め等々、育児ノートを兼ねた母の直筆もあるし。泥棒に盗まれたら、あきらめられる程度の執着だが、自ら捨てるとなると至難だ。

ふるさと、やはりこれは次の住処まで持っていこうと思う。

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